2026年4月5日
認知施策では「認知形成」「認知定着」「認知拡大」のうち、どれにフォーカスするのが良いのでしょうか。これは自社の業界内の立ち位置、業界内プレゼンスの高低、業界内認知度などによって変わります。当社では認知施策を3つに分類して、クライアント企業のプロモーション戦略を設計しています。各特徴をおさえた上で、認知施策を行うと各段に成果を出しやすくなるためです。では早速見ていきましょう!

目次
BtoBビジネス、認知施策は3分類
「法人向けに認知施策を行いたい」と望むtoB企業は多いですが、「認知施策」といえど3分類されます。この違いを知っておくだけでも「自社は、どんな認知施策を行えばどれくらいの成果を出せるのか」が、ある程度見えてきます。
認知施策、3つの違い
さて、ここで質問です。あなたの企業は業界内でおよそ、どのフェーズに位置しているでしょうか?まずは自社の認知フェーズが、①~③のどれに該当するかを見定めます。
【①認知形成】知ってもらうフェーズ <状態> 自社名も自社商材も、殆ど知られていない。仕事実績も無い <おすすめの施策> 「何をしている企業か」「どんな商材を持っている企業なのか」を知ってもらうための「認知形成」施策を行う
【②認知定着】理解・信頼・記憶してもらうフェーズ <状態> 自社名も自社商材も、なんとなく業界内で知られており、仕事実績もある。だが「社名は知ってるけど、何をやってる会社なんだっけ?」と聞かれることが多々ある。 <おすすめの施策> 企業の特徴や価値が理解され、見込み客のニーズが顕在化したタイミングで自社が想起される状態を目指す「認知定着」施策を行う
【③認知拡大】広げていくフェーズ <状態> 自社名も自社商材も業界内で広く知られていて、仕事実績も豊富。見込み客が困ったとき、第一想起してもらえるため継続的な問合せを獲得できている <おすすめの施策> 企業の特徴や価値が理解された状態を維持したまま、認知されている対象や範囲を広げる「認知拡大」施策を行う
自社がどのフェーズに位置しているかが分かると、行うべき認知施策も具体的に見えてきます。
老舗企業と、新興企業では施策が異なる
例えばですが、業界内における自社の認知形成が一定程度できているBtoBの老舗企業が認知施策を行う場合、「認知拡大」に振りきります。一方で立ち上がったばかりのスタートアップなら、いきなり「認知拡大」の施策を行っても成果を殆ど出せないので、まずは「認知形成」を集中的に行います。このように、各社の事業環境や業界内の認知フェーズによって、認知施策を変えます。このあたりを詳しく解説しているのが、「BtoB企業の新規開拓、カギは「想起集合」と「第一想起」 成功・失敗事例から解説」です。
BtoB老舗企業の認知施策に関する相談、目立つのは…
さて、ここからは実際に当社に寄せられる相談をご紹介します。最近目立つのは、社歴20~100年以上の売上が安定しているBtoB企業からのご相談です。
経営は安定しているが長年、変化がない状態が続いている。競合が増え、事業環境も昔とは随分変わった。このままでは良くないと分かっているが、具体的に何を行えば良いかが分からず模索状態が続いている。
このような課題をお持ちのBtoB企業は特段リード獲得や、すぐすぐの案件獲得を望んでいるわけではないことが殆どです。既に十分な数の顧客を抱えており、安定的に案件獲得するための仕組みも出来上がっている。そして売上も安定しているためです。
ヒアリングを重ねていくと、ほぼ全社が「リード獲得や案件獲得ではなく、継続的な認知施策を行いたい」ということで、「認知施策」をのうち③の「認知拡大施策」に着地します。(なお「認知拡大」にオススメなのがセミナー開催・セミナーへの登壇です。テーマや開催時期、規模感にもよりますが当社が企画・開催するセミナーでは毎回100~200社の集客が可能です。「BtoBセミナー集客の方法 4000名を動員した “3つの成功要因”」をご参照ください)
一方でBtoBの新興企業からは、このようなご相談を頂戴します。
BtoB事業を立ち上げた。だけどBtoC事業とは勝手が異なっていて、何から手をつけて良いか分からない。
これは、BtoC企業が新たにBtoB事業を立ち上げたケースで頻出するご相談です(詳細:ヘルスケア業界で広がる「BtoC」から「BtoB」への転換)。この場合は、たとえBtoCの領域では認知を十分に獲得できている大手企業でもBtoB領域では無名なため、まずはBtoB事業を行う企業であることを、業界の各社に知ってもらうための「認知形成」から開始します
【留意事項①】認知施策とリード獲得、目的はどっち?
ここで留意しておきたいことが2点あります。1点目は「認知施策を行う目的が、どちらなのか?」です。よくあるケースが「認知施策を行いたい」と言いつつも、実は「商談数を増やすこと」が真の目的だった、というケース。
ほとんどの企業は、認知施策を行う “最終の最終ゴール” は一律「業績を上げること」だと思いますので、「認知施策を行いたいと言いつつも、真の目的は商談数を増やすこと」は決して間違ってはいないのですが、認知施策の短期~中期の目的が「認知形成・定着・拡大」なのか?それとも「リード獲得や商談獲得」が目的なのか。どちらが目的なのかによって行うべき施策はガラリと変わります。
「自社の場合は認知施策とリード獲得施策のうちどちらが適しているのか」。この見極めは簡単ではないのですが、「BtoB企業の新規開拓、カギは想起集合と第一想起 成功・失敗事例から解説」をご覧いただくと、自社が行うべき施策の最適解が見えてくるかと思います。
【留意事項②】BtoBの認知施策、成果が出るまでの期間は?
2点目の留意事項は、成果が出るまでの期間は一定程度必要であることを理解・覚悟しておくことです。
「1回の認知施策で、成果が出るんですよね!」
このようなお声は特にBtoBマーケティングや、PR、プロモーション施策に慣れていない企業の担当者さんから割りとお聞きします。残念ながら、そんな奇跡は起きません。
たった1度きりの施策で、大きな成果は出せない
BtoCマーケティングの場合、頻繁に変化するトレンドにあわせて、SNSでのバズを狙って消費者向けにプロモーションを行い、狙い通り大バズりしてくれれば一夜にして一気に認知を上げることは可能です。ですが大きなトレンド変化が起きづらく、ニッチな商材が多いBtoBの領域においては、1回または短期間の施策で大きな成果を狙うのは非常にハードルが高いのが実際です。
わずか1回の施策。あるいは、わずか数か月間の施策で業界全体への認知形成ができて、認知も定着し、さらに認知拡大までできて、メディアからもどんどん取材依頼がきて、問合せも継続的に入るのであれば、どの企業も苦労しないものです。認知施策は中長期で継続するからこそ、じょじょに成果が出始めます。
認知施策の基本はとにかく「継続」
次々にスタートアップが誕生し、さらには資金力を武器にした大手企業が次々に自社と同じ領域に新規参入し、さらには変化のスピードが速い今の時代。認知施策を行わないと、あっという間に自社の存在は埋もれてしまいます(それは当社自身も)。認知形成・定着・拡大のための基本中の基本は、大変もどかしいですが「継続すること」。これにつきます。
